筆者は、働きながら独学で勉強をして日商簿記2級に2019年11月の試験(統一試験)に一回目の受験で合格した実績があります。49日間で207時間勉強しました。
その後も、勉強法を改良し、応用情報技術者という国家資格にも一発で合格しています。
そんな筆者の資格試験合格ノウハウを全て詰め込んだのがこの記事になります。
勉強法以外にも就職の役に立つのかも気になっている人が大半だと思うので、その疑問についても解説していきます。
この合格マニュアル・勉強法が信頼できる理由
1については、合格しているそのものが信頼に繋がると思いますので、2について解説します。
IT業界のプロジェクト管理手法を応用している
IT業界のシステム開発という仕事には納期があります。納期とは完成品を顧客に納品する締切日のことです。
例えば、2020年5月1日にシステム開発をスタートさせて、2020年9月1日が納期の場合、その日までにシステムの開発を完成させないといけません。
納期を守るためには、スケジュール管理を行う必要があります。
これは2020年6月1日までに終わらせる必要がある。
これは2020年7月1日までに終わらせる必要がある。
といったように、スケジュールを作成し計画を立てます。
なんだか資格試験に似ていると思いませんか?
納期は、試験日のことです。いついつまでに、なになにを終わらせる必要があるというのは、この日までに、この知識を覚える必要があると計画を立てることです。
つまり!超効率的に勉強をするためにはスケジュールを作成し管理することが重要!
超効率的に勉強をするためにはスケジュールを作成し管理する
資格の勉強よりも、お金や顧客等様々な要因が複雑に絡む仕事の方が大変だと思います。失敗をすれば仕事がなくなることだってあります。
そんな仕事で使われている手法であるため信頼度が高いです。
日商簿記2級合格マニュアル・勉強方法の解説
ここからは本題のマニュアル・勉強方法についての解説です。
この記事は、知識を伝えるだけではなく、実践方法についても解説します。
1から丁寧に解説していきます。
今日から使えるようになるため、是非最後まで読んでください。
1.日商簿記2級に合格するために最初にすることとは
日商簿記2級の教科書・教材・テキストを揃える
一番最初にすることは教科書の用意です。
教科書の正しい選び方とおすすめの教科書を紹介します。
日商簿記2級の教科書・教材・テキストの選び方
ネットで紹介されている、おすすめの本を鵜呑みにして、本の中身を確認することなく購入する人がいますが、おすすめはできません。
ネットでおすすめの本を確認し、それを考慮することは正しいです。しかし、購入した後に公開しないことが大事です。
基本的には、書店に行き、複数の教科書を見比べて自分に合った教科書を選びましょう。
日商簿記2級に限らず、今後他の資格勉強をするときも同様です。
そして、教科書は商業簿記の教科書1冊、工業簿記の教科書1冊、過去問1冊で十分です。
それ以上は買う必要はありません。それぞれの本をやり込むことが合格への近道です。
2.日商簿記2級に合格するための勉強スケジュール作成方法(超重要)
教科書を用意したら、勉強スケジュールを作成していきます。
本記事の内容で一番重要な章になっています。勉強スケジュールを作成するかどうかで合格率に大きく影響します。
以下の図は、資格試験の学習全体のイメージです。
この章では、赤枠で囲まれている部分の解説を行います。
学習はこの流れで行うということをイメージできるようにしてください。
日商簿記2級に合格するために必要な勉強時間の目安を把握する
合格に必要な勉強時間の目安が分からなければ、計画が立てられません。
まずはネットで検索してみましょう。
上記の時間が妥当だと考えられます。
CBT試験については、統一試験よりも合格率が倍程度高く、CBT試験が始まってから日商簿記2級の年間合格者数が増えていることから、それを加味して150時間~250時間程度だろうと推測しています。
日商簿記2級に合格するために勉強する時間を決定する
合格するために必要な勉強時間の目安が分かったら、自分ならどのくらいの勉強時間で合格できそうかを考えます。
その時間を考えるために2つのことを行います。
- 教科書の流し読み
- 過去問・予想問題の確認
統一試験を受援すると仮定して、もし教科書などを確認してみて、本当に自信がない場合は、勉強時間を300時間に設定します。
何も確認せず、200時間くらい勉強しとけばいいか~と思っていると絶対不合格になります。必ず最初に教科書を読んで、なんとなくでいいので難易度などを把握しましょう。
日商簿記2級に合格するために勉強スケジュールを作成する
合格のために必要な勉強時間を把握出来たら、実際にスケジュールを作成していきます。
Excelでスケジュールを作成する方法を紹介します。「サンプルのスケジュール管理表.xlsx」を用意しています。
以下は、「スケジュール管理表.xlsx」の画像です。
見辛い場合お手数ですが、拡大をお願いします。
勉強スケジュール作成の補足
- 試験日が何月何日か調べる
試験日を調べたら、サンプル画像の①に試験日までの日付と曜日を入力します。 - 合格に必要な勉強を調べる
簿記2級を例にすると、Googleで検索すると合格に必要な勉強時間は250時間程度と出てくるはずです。
まずは、250時間を目安に総勉強時間を設定すると良いでしょう。 - 平日数、土日数、勉強可能時間を出す
平日と土日で勉強できる時間は異なりますから、それぞれ何日あるか出しましょう。
そして、何曜日なら何時間勉強できるか予想して時間を出しましょう。総勉強時間が250時間程度になるように試験日までの日付ごとに何時間勉強するかを決めます。もし日数の関係で250時間に届かない場合、土日に遊ぶのを我慢したり、お昼休みに勉強する等して勉強時間を捻出しましょう。通勤や通学で電車を利用しており、電車で勉強する場合も勉強時間として含ませます。
サンプル画像の②に分単位で予定勉強時間を入力します。 - 実際に勉強した時間を記録する
実際に勉強した時間は毎日記録しましょう。
サンプル画像の③に分単位で実績勉強時間を入力します。 - 分析する
特に大事なのが、残日数のパーセントと244時間進捗率(計画した総勉強時間ごとに値は変わる)の比較です。残日数のパーセントを244時間進捗率が下回っている場合、勉強が遅れていることを意味します。その場合、勉強時間を確保できるように工夫する必要があります。
日商簿記2級に合格するための勉強スケジュールを作成した後の大事なポイント
勉強スケジュールを作成して終わりではありません。使わないと効果がありません。
必ず行う必要があることは次のことです。
- 勉強をしたら勉強時間を正確に必ず記入する
- 勉強時間が不足したら他の日の勉強時間を増やす
スケジュールは管理する必要があります。管理とは、不足しているものは補ったり、余分なものは落としたりすることです。合格するために、都度都度スケジュールを見直す必要があります。
日商簿記2級に合格するための勉強スケジュールが合格率に影響を与える理由
スケジュールの重要性が分からない人はこういう人です。
- 自分が何時間勉強したか分からない
- あと何時間勉強する必要があるか説明できない
- 自分が簿記のどの単元をどの程度理解しているか把握できていない
なぜ、このようになってしまうのかには理由があります。
それは、勉強や勉強時間は目に見えないものであるからです。
そんなの当たり前だろと思うかもしれませんが、意外と理解できていない人が多いです。
勉強する内容や時間を表という形に落とし込むことによって、目で見えるようになり、現状に対する把握能力が格段に跳ね上がります。
日商簿記2級に合格するための必要勉強時間が把握できる
表という目に見える形にすることで、後何時間勉強する必要があるのかが分かるようになります。試験日までに勉強時間を調整することが出来るため、効率的に勉強を行うことができます。
日商簿記2級に合格するための勉強の進捗率を把握できる
表を見てみると、進捗率という項目があり、%(パーセント)で表現されています。人は%で表現されると理解しやすくなります。
日商簿記2級に合格するために勉強スケジュールを修正できる
表という目に見える形にすれば、すぐにスケジュール・計画を修正することができます。もしスケジュールを作成しておらず、試験日の1週間前に、なんだかやばい気がしてきたと思ったら、もう修正ができません。早め早めにスケジュール・計画を修正可能にすることにより、合格率を上げます。
ここまでの内容でスケジュールの重要性が理解できたと思います。
IT業界の手法を応用しているので、是非みなさんの仕事にも応用してください。
例えば、規模を問わず社内で○○プロジェクトのようなものを発足した時の実行計画書のサンプルを解説した記事も用意しているので、気になった方はご覧ください。
3.日商簿記2級に合格するための勉強方法
教科書は目次から覚える(記憶法)
まず初めに、教科書の目次を確認しましょう。一番大きい目次は覚えるようにしましょう。
目次を覚えることによって、確かこれは、あの部分だなと連想することができ、頭から記憶を引き出しやすくなります。
イメージは以下の通りです。
誰もが一度は見たことがあるような図ではないでしょうか?
パソコンのフォルダにそっくりですよね。本というのは、大変優秀なもので、世界最古のデータベース。このような形をイメージして教科書の内容を記憶していきましょう。
予想問題を解く前に教科書の確認問題を解く
教科書の確認問題に比べて、予想問題は大変難しいです。まずは確認問題を確実に解けるようにしましょう。
そして大事なことがあります、解けなかった問題に印をつけて時間を空けて何回も解いてみる。
解けなかった問題に印をつけて時間を空けて何回も解いてみる。
一度解くことができた問題をもう一度解くのは優先度が低いです。一度解くことができた問題を何度も解く時間がもったいないので、解けなかった問題を重点的に解くようにしてください。
一度解くことができた問題は総復習という形で解くと良いです。例えば、土曜日に一度解くことができた問題を全部解くといった形で復習しましょう。
工業簿記は完璧に覚えるつもりで勉強する
工業簿記は商業簿記よりも簡単です。計算も中学生レベルで十分足ります。満点を取るつもりで勉強をしてください。
教科書でインプットしたら予想問題でひたすらアウトプットする
教科書とは知識を頭の中にインプットするための物です。
そして、予想問題とは頭の中にある知識をアウトプットするための物です
簿記の勉強で効果的なのは、ひたすらアウトプットすることです。
これは非常に大事なことです。意識するようにしてください。教科書を読んでいるだけでは、日商簿記2級に合格することはできません。
簿記は手を動かして身体で覚える
アウトプットして、分からない時にインプットするようにしましょう。
私は日商簿記2級の勉強でノートを丸2冊使いました。
汚い文字で良いから速く書くことが合格率を上げる
ノートを綺麗な字で書こうとする人がいますが、時間の無駄です。
文字は自分が分かれば良いので、とにかく沢山アウトプットすることを意識しましょう
これも、私の勉強ノートですが、文字が大変汚いことが分かります。
このように、文字は汚くて問題ないので、とにかく手を動かしてください。
土日はまとまった時間を確保して勉強する
3時間の勉強を100日間続けて300時間勉強する。
平日は2時間、土日は8時間、合計で300時間勉強する。
どちらが、効率的に覚えられると思いますか?
答えは、「平日は2時間、土日は8時間、合計で300時間勉強する」です。
なぜ、この答えになるのかというと、勉強する必要がある範囲が広い場合、まとまった時間を使って勉強しないと、勉強必要範囲を網羅することができず、知識が頭に定着しにくくなるからです。
ですので、まとまった時間を使って勉強する日を設けるようにしましょう。
まとまった時間を使って勉強する日を設けるようにする
勉強法は以上になります。
日商簿記2級に合格するための必要期間について
日商簿記2級の受験を申し込んだけど試験まで1ヵ月を切った、勉強していない・・・やばい・・・と思っている人もいるのではないでしょうか。
純粋に、どのくらいの期間で合格できるのか気になっている人もいると思います。
そんな人たちのために、勉強の必要期間について解説します。
日商簿記2級に1週間で合格する方法
日商簿記2級に1週間で合格するのはほぼ不可能
1週間の内に勉強時間を確保できないのであれば、統一試験の合格はほぼ不可能なので諦めてください。
合格できる人は、よほどの天才です。教科書を2回読んで、内容を8割理解。あとは予想問題を何回か解いて覚えられるような天才以外には無理です。
CBT方式(ネット受験)なら、50時間勉強できるとして、200人に1人位なら合格できるかもしれません。
1週間休みなら日商簿記2級に1週間で合格できる可能性がある
CBT方式(ネット受験)であれば、毎日16時間勉強して、100時間以上の勉強をすれば合格できる可能性はあると思います。
統一試験は天才ではないけど、よほど頭が良い人であれば100時間の勉強で合格できるかもしれません。
日商簿記2級に1ヵ月で合格する方法
CBT方式(ネット受験)であれば、平日3時間、土日10時間以上勉強すれば合格可能です。150時間は勉強しましょう。
統一試験であれば、平日3時間、土日16時間以上勉強すれば合格可能です。200時間は勉強しましょう。200時間以上勉強すれば合格する可能性は高いと思います。
日商簿記2級に2ヵ月で合格する方法
2ヵ月あれば、今回解説したように勉強スケジュールを作成し、しっかりと運用しながら勉強をすれば普通に合格できると思います。
大学生が日商簿記2級に合格すると就職・就活に有利になるのか
大学生の皆さん、ネットの情報や周りの声に「資格なんて役に立たない」と言った声があると思いますが、信じないでください。絶対に就職・就活で有利になります。
資格を持っていても就職・就活には意味がないと言っている人はおかしいです。
単純に考えれば分かります。
自分と顔が瓜二つ、経歴は簿記2級を持っているかいないかだけ。同じ企業に応募して、面接時の受け答えも全く同じ。企業は2人に同じ評価をしているが、採用できるのは1人だけ。
こう仮定すると、採用されるのは当然簿記2級を持っている人になる
資格は、絶対に評価の判断材料にされるため持っていると得をします。
日商簿記2級は年収に影響するのか
経理職採用であれば、日商簿記2級以上が条件の求人が結構あります。
私の知っている人で、主婦だったけど日商簿記2級を取得して、税理士事務所に就職した人がいます。
日商簿記2級を持っていると未経験でも採用してくれる可能性が高いです。
そして、専門職に1番大事なことは職務経験ですが、未経験から数年働けばより良い条件で転職することが可能です。
未経験採用で数年は年収が低いかもしれませんが、転職すれば十分年収が上がるでしょう。
また、簿記1級にチャレンジして、合格することでさらにキャリアアップすることができるでしょう
さいごに
今回解説した、スケジュール作成や勉強方法は他の試験でも使うことができます。
まずは、日商簿記2級で利用してみて、他の機会でも使ってみてください。