GeminiとはGoogleが開発した大規模言語モデルのAIのことです。モデルというと分かりにくいかもしれませんが、AIにもカテゴリーがあり、例えば画像認識モデルというものもあります。
大規模言語モデルとは言語処理が得意なAIのカテゴリーです。
GoogleによるとGeminiは大部分において、GPT-4の性能を上回るらしいのです。
GPT-4はChatGPTに搭載されているOpenAI社が開発した大規模言語モデルのAIことです。
以下のYoutube動画で、Geminiについて紹介されています。
さて、そんなGeminiですがGoogleのAIチャット、Bardに搭載されたんですよね。
2023年12月6日(米国時間)にリリースされました。(12月7日時点では英語版のみGeminiが搭載されています)
そこで日本語版がリリースされる前に、バージョンアップ前のBardとChatGPT3.5で性能にどのような差があるのか試してみることにしました。
日本語版リリース後に、今回と同じ文章を入力して、Bardがどれほどパワーアップしたのか見てみたいと思います。
BardとChatGPTどっちが優秀?短編小説を書かせてみた
Bardの出力結果
お題:1000文字から1500文字で誰もがおもしろいと感じる短編小説を書いてください。
出力結果
タイトル:空を飛ぶペンギン ある日、ペンギンのタロウは、空を飛ぶ夢を見た。 タロウは、いつも空を飛ぶことに憧れていた。海の中を泳ぐのは好きだったけれど、もっと広い世界を見たいと思っていた。 夢の中では、タロウは羽を広げて、空高く舞っていた。風を切る感覚が気持ちよくて、タロウは笑顔になった。 夢から覚めたタロウは、空を飛びたいという気持ちがさらに強くなった。 タロウは、海の仲間に相談した。 「空を飛びたいんだ」 「空を飛ぶなんて、ペンギンには無理だよ」 「そうじゃないさ。夢を叶えたいんだ」 タロウは、仲間の言葉を気にせず、空を飛ぶ方法を探し始めた。 タロウは、図書館で空を飛ぶ方法について調べた。 「鳥のように羽を広げて飛ぶ」「飛行機に乗る」「パラシュートで飛ぶ」など、いろいろな方法があることを知った。 タロウは、羽を広げて飛ぶ方法を試してみた。 しかし、タロウは重すぎて、なかなか空を飛ぶことができなかった。 タロウは、飛行機に乗る方法も考えた。 しかし、飛行機に乗るには、お金が必要だった。 タロウは、お金を稼ぐために、アルバイトを始めた。 タロウは、毎日一生懸命働いて、お金を貯めた。 そして、ついに、飛行機に乗るためのお金が貯まった。 タロウは、飛行機に乗って、空を飛んだ。 空から見た景色は、とても美しかった。 タロウは、夢が叶って、とても幸せだった。 しかし、タロウは、空を飛ぶことに、もう少し違和感を感じていた。 タロウは、もう一度、空を飛ぶ方法を探し始めた。 タロウは、ある日、海の底で、不思議な生き物を見つけた。 その生き物は、小さくて、羽を持っていた。 タロウは、その生き物に「空を飛ぶ方法を教えて」と頼んだ。 生き物は、タロウにこう言った。 「空を飛ぶには、心が軽くなくてはいけない。重い気持ちで飛ぼうとすると、空を飛ぶことはできない」 タロウは、生き物の言葉を聞いて、自分の心に重りがあることに気づいた。 タロウは、自分の心の重りを捨てようと決心した。 タロウは、海の仲間に、これまでの感謝の気持ちを述べた。 そして、海を出て、世界中を旅することにした。 タロウは、旅先で、いろいろな人に出会い、いろいろなことを学んだ。 タロウは、旅を続けるうちに、心が軽くなっていった。 そして、ある日、タロウは、空を飛ぶことができた。 タロウは、羽を広げて、空高く舞った。 タロウは、心から幸せを感じていた。 ** この小説は、誰もがおもしろいと感じるように、次のような工夫をしました。 主人公がペンギンという、誰もが知っている動物である。 主人公が夢を叶えるために努力する姿は、誰もが共感できる。 空を飛ぶ方法を探す過程には、ユーモア要素を盛り込んだ。 最後に、主人公が空を飛ぶことができ、幸せになるというハッピーエンドにした。 この小説を読んで、皆さんが、少しでも笑顔になってもらえたら幸いです。
なるほど、確かにおもしろいですね。ChatGPT3.5も見てみましょう。
ChatGPT3.5の出力
お題:1000文字から1500文字で誰もがおもしろいと感じる短編小説を書いてください。
出力結果
タイトル: 未来のおばあちゃんとタイムトラベルのお茶会 昭和の日常が舞台の小さな町に住む、ちょっぴり変わり者のおばあちゃん、富士子。彼女はいつも周りの人たちを笑顔にする不思議な力を持っていた。ある日、彼女は孫の太郎に話しかけた。 「太郎くん、今度の土曜日におばあちゃんの友達たちと楽しいお茶会を開くの。でもね、特別なお茶会にするために、タイムトラベルをしてみるわ」 太郎は興奮して叫びました。「おばあちゃん、本当にタイムトラベルできるんですか?」 富士子はにっこり笑いました。「もちろん、太郎くん。おばあちゃんの秘密のタイムマシンがあるんだから。」 土曜日、富士子の家には色とりどりの時代の服を着たおばあちゃんたちが次々と集まってきた。富士子はみんなにお茶を出しながら、自分のタイムマシンのことを話しました。 「このマシンに乗れば、過去や未来へと旅ができるの。さあ、みんなで楽しい冒険をしようじゃないか。」 みんなはわくわくしてマシンに乗り込み、ボタンを押すと、一瞬で違う時代に移動してしまった。最初は戸惑っていたおばあちゃんたちも、次第にその時代になじんでいく。 最初の目的地は江戸時代。おばあちゃんたちは着物をまとって町を歩き、伝統的な茶道を楽しんだ。その後は未来へ。高層ビルや飛行車が走る未来の世界に興奮し、みんなで未来のお茶を楽しんだ。 次に向かったのはハリウッドの黄金時代。おばあちゃんたちはセレブなスターに扮して、映画スタジオで楽しいひと時を過ごした。笑い声が絶えない中、太郎もおばあちゃんたちの楽しそうな姿に感動していた。 最後に訪れたのは未来の地球。緑豊かで平和な世界に感動したおばあちゃんたちは、この体験が彼女たちの日常をより豊かにすることを決意した。 タイムトラベルの冒険が終わり、富士子とおばあちゃんたちは笑顔で家に帰ってきた。太郎は興奮冷めやらぬまま尋ねました。 「おばあちゃん、どの時代が一番楽しかったですか?」 富士子は微笑みながら言いました。「どの時代も特別で素敵だったけど、やっぱり今が一番大切だよ。みんなと一緒に笑い合える今が、最高の冒険なんだから。」 そして、太郎とおばあちゃんたちは笑顔で抱き合い、未来の冒険が彼らの絆をさらに深めたのでした。
Bardより1文が長いようですね。
内容もまとまっていておもしろいです。
BardとChatGPTの出力結果を比較する
結論、今回はChatGPTに軍配が上がりそう。
両者の共通点が2つあります。
- 主人公が太郎
- 最後は良い話で締めようとする
なぜか、主人公が太郎とタロウですね。おもしろいです。
今度リリースされるBardも主人公がタロウになるか気になるところです。
文章の書き方として、Bardは単調なようですね。
語尾が大体同じ表現になっています。
- 空を飛んだ
- とても美しかった
- とても幸せだった。
しかし、表現が統一されているので、これはこれでまとまっているかなという印象です。
ChatGPTの場合は、文章を長く書けるようです。
- 昭和の日常が舞台の小さな町に住む、ちょっぴり変わり者のおばあちゃん、富士子。彼女はいつも周りの人たちを笑顔にする不思議な力を持っていた。ある日、彼女は孫の太郎に話しかけた。
まるで人間が書いているようです。
また、Bardの主人公はなんだか「勘違い系主人公」のような印象ですね。
心が軽くなれば飛べるというくだり。
- タロウは、旅を続けるうちに、心が軽くなっていった。 そして、ある日、タロウは、空を飛ぶことができた。
「心が軽くなれば飛べるんかーい」とついついツッコミを入れながら見てしまいました。個人的には笑わせてもらったので、確かにおもしろい短編小説になっています。
Bardがパワーアップしたら、また試してみようと思います。
さいごに
以上で、Gemini搭載前のBardとChatGPT3.5の比較を終わります。
今の段階でも優秀ですが、さらに優秀になると思うと末恐ろしいものがありますね。
皆さんも最新バージョンがリリースされたら是非利用してみてください!


